博士課程でうつ病になる(なった)要因

博士課程はメンタル的にヤバい(かもしれない)

大学院、特に博士課程に進む人は、うつ病のような精神病になる人が多いという話を聞きます。わたしも、心のどこかで自分はうつ病にはならないだろうと思っていました。 しかし、D1の8月にしっかりうつ病の診断をもらうことになりました。その経験を思い返して、うつ病になった要因を考えました。

これを参考にしていただいて、うつ病や精神病とは無縁の研究生活を送ってもらいたいなと思っています。

立場が弱い

”学生と先生は研究者として対等だ”なんて言われることもあるでしょう。しかし、学生の方が、やはり経験や知識で劣っている部分もあります。また、不手際があれば、先生が学生を怒ることもあります。総合的に評価すると、学生のほうが立場が弱く、その分ストレスも多くなるケースが大半だと思います。

拘束時間が長い

研究生活と一口に言っても、実験、解析、論文執筆、ゼミ、ゼミの資料作成、論文読み、授業、学会発表、TA、RA、申請書の作成、後輩の面倒見などなどやること、できることがたくさんあります。

また、世の中にはコアタイムが9時から21時の研究室であったり、”12時間以上は研究を”と口にする人もいたりします。

その結果、研究の拘束時間が長くなります。会社員でも過労でうつ病を発症というケースがあるようですが、過労もうつ病の要因の一つだったと思います。

また、拘束時間が長くなると、ストレス発散の気分転換をする時間も取れなくなっていき、ストレスの増加に拍車がかかっていきます。

特に、真面目な人ほど、過労になりがちだとも思います。

コミュニティが限られ人間関係が重要になる

研究生活で会う人が限られて来るため、コミュニティも閉鎖的になりがちだと思います。またこれは、研究室での拘束時間が長いこととも関係していると思います。

研究室や実験室にいる時間が長くなると、同じ研究室の人とは会うことがあっても、隣の研究室の人とも挨拶はしても話込むことはなかったりする場合も多いと思います。

そうなると必然的に研究室という閉鎖的なコミュニティだけになっていき、意識して研究室外の人と会う機会を作らないと、コミュニティが限定的になっていきます。

この研究室というコミュニティだけでも相性が良い人たちだらけならば、気楽に過ごしていけると思いますが、相性の悪い人、嫌いな人がいると、ストレスを長時間抱えることになります。かくいう私も、先輩と性格的に相性が悪く、ストレスを抱えました。

睡眠時間を犠牲にしがち

やらなければいけないことや、重要な仕事、論文のように終わることが早ければ早いほど望ましいタスクなどをこなそうと思うと時間が必要です。この時間をどうやって確保するかと考えたときに簡単(にとってしまいがち)な方法が、睡眠時間を削る、いわゆる徹夜です。

幸か不幸か、世の中にはカフェインをとれるコーヒーやエナジードリンク、錠剤などが簡単に手に入るため、疲れや眠気をごまかして働くことができます。

私は残念なことに、この疲れというのが危険を知らせるために体が発しているサインであり、健康に睡眠が重要だと気づいたのは、うつ病が発症した後ででした。

感覚が麻痺する

 特に周りのみんなが頑張っている研究室の場合、長時間研究をしていて当たり前だとか、プライベートは犠牲にして当たり前だとか、徹夜しても当たり前だとか、そういった感覚が麻痺してきます。

おそらく、正常な状態だったり気づけたはずの異変を見逃す要因になります。